2012年1月19日木曜日

中国富裕層の欧米移住急増 教育・生活環境など懸念

2012.1.10 05:00 SankeiBiz

北京郊外でスキーとゴルフのリゾートを運営するたたき上げの中国人富豪、リー・ウェイジエ氏(43)は自分を愛国者だと考えている。その証拠にリゾートの入り口にある高さ4メートルの塔の上には等身大の故毛沢東主席の銅像が設置されている。同氏がカナダの居住許可証を保有していると知ったら、毛主席は何と言うだろうか。
「先進国の教育・医療制度へのアクセスが欲しかった」とリー氏は語る。

リゾートのほか、北京の大手民間タクシー会社や自動車ディーラー2社、不動産会社も経営する一方で、同氏は富裕中国人が多数居住するバンクーバーのウエストサイドに600万米ドル(約4億6200万円)相当の邸宅を保有。妻はドイツの高級車、黒の「マイバッハ」でバンクーバー市内をドライブし、20歳の息子はイタリアのスポーツカー、ダークグレーの「マセラティ」でブリティッシュコロンビア大学に通う。妻と息子はカナダに永住している。

リー氏が家族をカナダに移住させた10年前、中国の国外移住者はまれだった。だが、新興富裕層が主に米国やカナダ、オーストラリア、シンガポール、ニュージーランドのパスポートや居住許可取得の動きを活発化させており、国外居住者数は膨れ上がっている。

昨年4月に発表された調査によると、中国人50万人以上が1000万元(約1億2200万円)を超える投資資産を保有。約60%が国外移住を検討しているという。

米国で投資家ビザ(査証)「EB-5」を申請した中国人の数は昨年1~11月に約3000人と、2007年の270人から急増している。米市民権・移民局によると、このタイプのビザの申請者数全体の78%を中国人が占めている。EB-5ビザ・プログラムでは、2年以内に米国での商業プロジェクトへの最低50万米ドルの投資と、少なくとも10人の雇用が義務づけられている。
中国の富豪番付を出版している民間調査会社、胡潤百富と中国銀行の昨年10月の調査によると、中国富裕層移住者の約80%は、中国籍を放棄しない方針だという。前述のリー氏のように、妻子は外国のパスポートを取得して海外に居住。自分は居住許可を取得しつつ、大半の時間を中国で過ごすのが一般的だ。
移住の理由として一番多いのは、子供により良い教育を受けさせるため。このほか、大気汚染や食の安全への懸念などが挙げられた。また、家族の海外移住や居住許可取得は、突然の法的・政治的変化で起業家が打撃を受けたり、社会不安が限界に達したりした場合に役立つとの見方もある。
中国では、政府の認可を受けた800社以上が海外移住のサポート業務を手掛けており、ビザ申請時の面接指導や各種書類の作成支援などを行っている。
同業界で最も古く、大規模な会社の1つ、ウェル・トレンド・ユナイテッド(北京)は、国内の大都市10市に営業所を展開する。1995年の設立以降、ビザ取得を支援した中国人顧客数は1万人超。創立者のラリー・ワン氏は、好調な業績が少なくともあと10年は続くとの見通しを示した。(ブルームバーグ Dexter Roberts、Jasmine Zhao)

************************

中国人50万人以上が1億を超える投資資産を持ち、うち60%が海外移住検討中とある。
海外移住サポート業務会社は記事にあるようにあと10年は好調のようだ。
移住のためには、戸籍翻訳証明書翻訳法律翻訳金融翻訳等煩雑な手続きが多いだろう。
それを請け負ってもらえればミスもなく助かる。
海外移住マニュアル中国語DTPで作成すれば、もっと希望者が増えるかもしれない。

By MT

0 件のコメント:

コメントを投稿