2011年9月14日水曜日

国産テロリスト増加 米国人として母国に聖戦

産経新聞 9月14日(水)7時59分配信
 米中枢同時テロから10年、米国は新たな形態を伴うテロの危機にさらされている。過激なイスラム思想の洗脳を受け、米国人として母国にジハード(聖戦)を仕掛ける「国産テロリスト」の増加である。

その背後では米国籍を持つ国際テロ組織「アラビア半島のアルカーイダ」の幹部アンワル・アウラキ容疑者が暗躍し、「米国VS米国」の新たなテロの構図をあおり立てる。

「生来のカリスマ性に加え、完璧な英語でジョーク交じりに説法ができた。瞬く間に若者が引き込まれていった」

米国の首都ワシントンから西に約11キロ、バージニア州フォールズ・チャーチのモスク「ダール・アルヒジュラ」でイマーム(指導者)を務めるジョハリ・アブドゥルマリク師がアウラキ容疑者を回想する。

同時テロ発生当時、このモスクの指導者を務めていたのがアウラキ容疑者だ。事件前にはテロ実行犯の一部が、モスクに出入りしていたとされる。

米国生まれで流暢(りゅうちょう)な英語を話し、文化や風俗にも精通。ポップス界のスター、マイケル・ジャクソンの言葉を引用しながらイスラム教の死生観を説く。若者に受け入れやすい言葉を使った説法は、CDやインターネットを通じて瞬く間に世界に伝染した。

2009年のテキサス州フォートウッド陸軍基地の銃乱射事件、デルタ航空機爆破未遂事件、10年のニューヨーク・タイムズスクエア爆破未遂事件…。米国がこの数年、身柄を拘束した主要テロ容疑者で、アウラキ容疑者の名を口にしなかった者はほとんどいない。

彼らはいずれも個別のテロ組織に属さず、単独でテロを敢行する「ローン・ウルフ(一匹おおかみ)」。事前に行動を予測することが最も困難で、オバマ大統領が動向を「もっとも懸念している」と不安視する一群だ。

「一匹おおかみの勧誘はアルカーイダの戦略の一つだ。組織的な作戦から独立したテロだとしても、目標を共有している。彼らはアルカーイダの一部なのだ」

米下院情報委員会のマイク・ロジャーズ委員長(共和)は単独犯の犯行をアルカーイダと切り離すべきではないと強調する。

オバマ政権も決して事態を静観しているわけではない。米メディアは昨年4月、オバマ大統領がアウラキ容疑者を米国人としては初めて、中央情報局(CIA)などが無人機を使って実施する「殺害対象」として許可することを認めたと報じた。

アウラキ容疑者を米国民に危害を加える「敵性戦闘員」と規定し、米国民の生命が危険にさらされる現状では殺害もやむを得ないとの判断からだが、法治国家が法の裁きに委ねることなく、自国民を殺害することを、法律家出身のオバマ大統領が許可した意味合いは大きい。

普段はオバマ政権に批判的な米シンクタンク、ヘリテージ財団のジェームズ・キャラファノ博士も、米国民の生命を守るためには、アウラキ容疑者の「拘束よりも行動の阻止が優先される」と指摘する。

ただ、米国ではここ数年、社会全体に不況と高失業率が襲いかかり、将来像を描ききれない若者世代に不満が広がっている。「国産テロリスト」を生み出す土壌は改善されていない。

約30年前、キリスト教徒からイスラム教徒に改宗したという米国人のアブドル・アジズ・ブリングさん(57)は「閉塞感が若者を極端な思想へと傾倒させかねない状況にある。過激な思想の流入を阻止しなければ、より大きな混乱が社会を支配しかねない」と警鐘を鳴らす。(ワシントン 犬塚陽介)
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先日10年目の「9・11」が去った。
10年前のあの恐ろしい映像は人々の記憶から消えることはないであろう。
9・11同時多発テロはアルカイダの犯行であったが、米国人自身がテロリストとなり自国にテロをとある。
もともとキリスト教が多いアメリカで、イスラム教を英語翻訳して広めるのは難しい。
が、記事にあるアラウキ容疑者はアメリカ生まれのイスラム教徒として、もともとのカリスマと共に若者の心理をうまく掴み、非常に巧妙にイスラム教、ひいてはをテロを広めているようだ。
日本ではモスクも見ないし、イスラム教をあまり身近に感じることはなく、アラビア語翻訳する需要も少ないように思われる。
日本が単一民族国家のためだろうが、ヨーロッパ等ではどうだろうか。
イスラム教が、ロシア語翻訳スペイン語翻訳ポルトガル語翻訳オランダ語翻訳等されアラビア人以外の教徒が増えているのだろうか。
宗教は個人の自由であるし、気持ちのよりどころとして大事である。
しかし、行き過ぎた行為はその宗教観自体を損なってはいないだろうか。
 
By MT
 

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