2010年12月2日木曜日

内定率50%以下の大学続出 就職氷河期より厳しい

2011年卒の学生の就職が依然厳しい。文部科学省が出した10月1日時点での内定率は約57.6%。有名大でも「無い内定」状態の学生が続出しているほか、首都圏でも11月~12月時点で内定率50%以下というところもあり、大学の就職課は「報道よりかなり厳しい」と話している。

 2010年11月21日に文部科学省と厚生労働省が発表した11年卒予定の学生の10月1日時点の就職内定率で、前年同期を4.9%下回った。男女別にみると、男子は59.5%で、同3.8ポイントダウン。女子は更に厳しく55.3%で同6.3ポイントもダウンした。

■96年の調査開始以来「過去最低」

 国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校の計62校を対象に調査を実施。「就職希望者」に占める内定取得者の割合が内定率だとしている。2000年前後の「就職氷河期」よりも低い数字で、1996年から調査を始めて以来過去最低となった。

 上智大学の文系学部に通っている4年の女子大生(22)は「昨年の先輩たちは6月くらいで大体決まっていたのに、今年はゼミの3分の1くらいが12月になってもまだ決まってない。男の子は就職留年するみたいだけど、女の子は地元に帰って公務員を目指そうとしている人もいる」と話す。この女子大生自身も1月から就活を始め、ITなど20社を受けた末、9月になってからようやく内定が出た。

 埼玉の私立大学の就職課担当者は「本当に過去最悪。11月中旬で内定率は54%ぐらい。女子だけだと48%で、去年より10ポイントぐらい落ちている。学生も1年以上就職活動をやっているのでもう諦めムード、報道よりもかなり厳しい感じです」と話す。

■「ゆとり世代」も原因?

 また、静岡県の私立大学では、11月末時点でも内定率が50%に到達しなかった。就職課の担当者によると、企業が厳選採用を行うようになり、例年その大学の学生5人ぐらいに内定が出ていた企業も、2010年は3人にしか出なくなった。残り2人の枠を、上位校やUターン就職する学生に持って行かれてしまうのだという。

 ただ、大学の方に求人が来てない訳ではない。「今の学生はちょうど『ゆとり世代』まっただなか。求人はあるのに土日休みじゃないといやだとか、地元を離れたくないとかで応募しない。そんなのだと決まらないと厳しく言っています」と話している。

 埼玉の別の私立大学では、全学生数を母数としているものの、内定率が12月1日時点で39%だった。

■親が内定断らせるケースも

 担当者によると、2010年就職戦線の特徴は、採用に至るまでの引き延ばしが多いということ。6次面接までやって落とすということもあり、学生の精神的ダメージは相当なものだという。また、かつては大学の就職課と企業の人事課にコネがあり、厳しいときには「苦労している学生がいるからちょっと頼むよ」とお願いしていた。しかし、この5年ほどで就活の現場がリクナビなどのネットに移行し、そうしたやり方も殆どなくなってしまったという。

 さらに、せっかく内定が出ても親が反対するケースもある。

  「今の学生の親はバブルのころに就職した人も多く、子どもがスーパーとかに決まっても、もっと別なところをと親が断らせてしまうのです。父親は景気の厳しさを知っているので言わないのですけど、母親ですね。何か月もかけて内定が出ても、次の日には『無い内定』に逆戻り。学生だけでなく親もどこかで折り合いを付けなければいけません」

 ちなみに、厚労省と文科省が出した2010年3月末の大卒新卒者の内定率は91.8%。一方で、文科省が出した学校基本調査によれば、10年春に卒業した大学生の就職率は60.8%。卒業生54万人のうち、就職も進学もしなかった人は約8万7000人もいた。前出の私大担当者は「恐らく今年度も3月末には内定率90%ぐらいに落ち着くと思います。ただ、学校基本調査の方が実態としては近いでしょう。09年度に就職浪人した8万人も入ってくるので、もっと厳しい数字になる可能性があります」と話していた。

by n.o
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